普段の生活の中であまり必要としないけれど、たまに必要となる書類に戸籍謄本・抄本があります。
まだ住民票は馴染みがあるけれど、戸籍謄本というとそうそう取得する機会は多くありません。
いざ、手続きに戸籍謄本が必要となったとき、取得方法を忘れてしまったなんてことありますよね。
ここでは、戸籍謄本種類について簡単にお伝えして、どこで、どうやってなど取得方法についても解説していきます。

戸籍謄本とは
戸籍とは、日本人の一生の身分関係(出生・婚姻・離婚・死亡など)の経歴を記載したもののことで、身分事項を公証するための書類です。
昭和23年1月1日までは家を単位としてひとつの戸籍を作っていましたが、以降は夫婦単位で戸籍は作製されます。
イメージとしては、昔は両親だけでなく、祖父母や叔父なども同じ戸籍として管理されていたのに対して、今では夫婦と子(2世代)を単位として管理されています。(戸籍法第6条)
そのため、婚姻すると新たに戸籍が作られることになります。

戸籍謄本が必要になる手続きの例
戸籍にはその人の本籍地や身分の変化など重要な項目が記載されているため、誰にでも見せるものではありません。
(昔は他人の戸籍の閲覧が可能な時代もありました。)
日々の手続きの中で戸籍謄本の取得が必要になるものとしては次のようなものが一般的です。
- パスポートの発給・変更申請
- 本籍地以外に戸籍の届出をするとき
- 年金の受給手続きのとき
- 公正証書遺言書を作成するとき
- 生命保険金受取の請求をするとき
- 相続関係手続きをするとき
他にも、氏の変更があったことを証明するときや、裁判などで身分を公に証明する必要があるときなどが考えられます。
戸籍謄本と抄本の違い
戸籍の中にいる人すべての情報の写し(謄本)か、戸籍の中の一部の人の情報の写し(抄本)かの違いです。
個人の身分について証明する必要がある場合は、該当の人の「抄本(しょうほん)」を取得することになります。
(無関係の人の情報をみだりに提出するものではないからです)
それに対して、戸籍内の続柄などすべての人との身分関係を証明する場合は、「謄本(とうほん)」を取得することになります。
戸籍にもいくつかの種類がある
ひとくくりに戸籍謄本と呼ばれることが多いですが、戸籍はひとりにつきひとつとは限りません。
昔からの法改正によって新しいルールで作製しなおしたり、婚姻や養子縁組などによって別の戸籍に移ることもあるからです。
一般的に戸籍謄本というと、現在の最新の戸籍のことを指すと考えて良いでしょう。
戸籍の種類をとても簡単に分類すると次のようになります。
現在戸籍 | 現在の情報が記載された戸籍で、本籍地によっては電子化されている |
改製原戸籍 | 法改正によって改製される以前の戸籍 |
除籍 | 戸籍の中に人がいなくなった戸籍 |
戸籍附票 | 戸籍内の人間の住所履歴を管理する書類 |
現在戸籍については管轄している本籍地によって、縦書きの場合もあれば、電子化されたものもあり、「全部事項証明」「一部事項証明」と呼ばれるものもあります。
これら現在の事項を記録した戸籍のことを役所では「げんこ」と呼ぶことがあります。
次に、改製原戸籍(かいせいげんこせき)とは、法改正によって新しく戸籍を書き直した戸籍よりも以前の古い戸籍のことを指します。
改製して次の戸籍に移記される場合でも、戸籍の前後がわかるように作製されているので、相続関係や過去から現在までの経歴を証明するために使われます。
本籍地と住所が違う場合でも、住所に変更があれば本籍地に通知が行き、戸籍附票に記録されます。
何か古いものの名義変更をする場合などに、過去の住所と現在の住所を紐づけるときなどに使われることが多いです。

戸籍の手数料
戸籍種類 | 交付手数料 |
---|---|
戸籍謄本・抄本 | 450円 |
除籍謄本・抄本 | 750円 |
改製原戸籍謄本・抄本 | 750円 |
戸籍附票謄本・抄本 | 300円 |
戸籍関係の手数料は地方自治体の条例によって定められていますが、実際のところほとんど全国一律だと思います。
戸籍を取得できる人
配偶者や直系尊属・直系卑属の関係にある人の戸籍を取得することができます。
尊属や卑属について難しく考えずに、単に直系にあたる人のものは取得できます。
また、養子縁組をしている場合の親子も直系とみなされますので、養父養母の戸籍を取得することもできます。
他には、同じ戸籍の中に入っている人の戸籍は取得することができます。
戸籍謄本の4つの取得方法
①本籍地の市区町村役場の開庁時間に窓口で取得する
役所の窓口に直接来庁する方法です。
申請する窓口は、本籍地の市区町村役場の戸籍担当窓口です。
「市民課」や「住民課」などの名称が多いと思います。
申請には、申請書が必要ですから、窓口に備え付けてある申請書に記入して提出してください。
本人申請のときの持ち物
- 本人確認書類
- 手数料代金
- 印鑑
代理人申請のときの持ち物
- 委任状
- 代理人の本人確認書類
- 手数料代金
- 印鑑
「委任状(京都市の例)」には、委任する内容を具体的に記載する必要があります。
委任内容の例
- 戸籍謄本の取得
- 原戸籍抄本の取得
- 出生から婚姻までの戸籍謄本の取得
②土日や夜間に本籍地の市区町村役場で取得する
本籍地の役所は近くにあるけれど、平日の昼間に窓口へ来庁することが難しい場合の方法です。
市区町村役場によっては、電話やインターネットから住民票や戸籍の申請ができることがあります。
事前に、戸籍謄本など必要な書類や受取りにくる人などについて伝えておいて、平日の閉庁時や土日などの休日に当直室や警備室に来庁し、本人確認書類を提示・手数料の支払いをして受け取ることができます。
③郵送で取り寄せる
本籍地が遠方にあるなど、直接来庁することが難しい場合の申請方法です。
郵送で申請して、返信されるのを待つ必要がありますので、戸籍謄本の取得までに1週間程度かかることがあります。
郵便に同封するもの
- 申請書
- 本人確認書類のコピー
- 切手を貼り、返信先住所を記載した状態の返信用封筒
- 手数料相当額の郵便定額小為替
申請書はお近くの役所窓口に備え付けのものでも、ホームページからダウンロードしたものでも構いません。
申請に必要な事項さえ記載していれば様式は問いません。
戸籍の郵送請求の具体的な方法を参考にしてみてください。
手数料の納付については、郵便局で「定額小為替」というものを購入する必要があります。

④コンビニ交付で取得する
マイナンバーカードを使って、住民票や戸籍謄本を取得する方法です。
利用するには、次の3つの条件を満たしている必要があります。
- 戸籍が電子化されていること
- 本籍地がコンビニ交付に対応していること
- 申請者がマイナンバーカードを持っていること
本籍地がコンビニ交付に対応しているか事前に確認しておきましょう。
また、住所地と本籍地が異なる場合は、事前に本籍地市区町村への利用登録が必要になります。
※ 利用登録はインターネットやコンビニの端末から行うことができます。
コンビニ交付では改製原戸籍は取得できない
コンビニ交付で取得できる戸籍の種類は、電子化された戸籍のみです。
そのため、戸籍をまたぐような過去と現在を結びつける必要がある場合には対応できません。
多くの場合、コンビニ交付を活用できるのは、「戸籍届出に添付するため」や「パスポート申請」に必要な現在戸籍の場合です。
また、相続関係書類に添付するために戸籍を集めている場合は、死亡者の戸籍ですからマイナンバーカードを使って取得することはできないことに注意が必要です。
戸籍謄本の有効期限
住民票や印鑑登録証明などと同じく、戸籍謄本についても明確な有効期限は決まっていません。
3ヶ月以内のものと聞くことが多いと思いますが、実際のところは受けとった側が信用できるかどうかが基準になります。
例えば、パスポートの申請などでは6ヶ月以内となっていますが、婚姻届などに添付する場合、3ヶ月以内のものでは古いと判断されると思います。
戸籍は身分を公証するものであり、とても重要なものですから、その変更にはとても気を使います。
婚姻届など戸籍の届出に添付する場合は取得後2週間以内のものを添付する方が無難です。

戸籍謄本取得方法まとめ
ここまで、戸籍の種類や戸籍謄本の4つの取得方法について説明してきました。
実生活においては、婚姻届やパスポート申請に必要な場合が多いので、戸籍謄本といえば「現在の最新の戸籍」のことを指しますから、コンビニや窓口で単に戸籍謄本と伝えれば簡単に入手することができるでしょう。
相続関係など過去と紐づける証明をしなければならないときは、役所の方に具体的な利用方法を説明して、何を取得すればよいのか、また別の役所にも申請が必要なのかなど確認をするのが確実です。
窓口への来庁が可能な場合には、戸籍の提出を求められていることがわかる書類などを見せれば必要な戸籍を案内してくれますよ。