女性が実印を作るとき、「下の名前のみで作ると良い」なんて聞いたことはありませんか?
なぜ女性だけが言われるのか、メリットは何なのかご存じでしょうか。
市役所で印鑑登録の実務をしていた立場から言うと、下の名前のみの実印を作成するメリットはほどんどないと言えます。
そして、それは未婚・既婚に関係なく、女性も男性も違いはないことです。
男性女性にとらわれず、一般的な実印の選び方をすればよいのです。
ここでは、フルネームで作成するのと下の名前で作る違いや、他の女性はどうしているのか、女性の印鑑選びに必要なことをお伝えしていきます。

逆に、男性でも下の名前のみの方もいらっしゃいました。
自由に選択していただいて問題ありません。
それよりも、印鑑の素材やケースなどで愛着の持てる実印を作られてはいかがでしょうか。
そもそも下の名前のみで実印として登録できる?
住民票に記載されている姓だけでも名だけでも、フルネームでも実印として登録することができます。
実印として登録できない印鑑は、市区町村の条例で決められてい多くの自治体では次のように書かれているはずです。
【各自治体の条例の記載例】
住民基本台帳に記録されている氏名、氏、名若しくは通称(住民基本台帳法施行令(昭和42年政令第292号)第30条の26第1項に規定する通称をいう。以下同じ。)又は氏名若しくは通称の一部を組み合わせたもので表していないもの
そして、その条例の基になっているなっているのは「印鑑登録事務処理要領」という国からの古い通知文書なんですね。
ですから基本的にどこの自治体でも下の名前の印鑑を登録することができるはずです。
印鑑登録できる印鑑について詳しくは「印鑑登録できる印鑑を徹底解説!」を参考にしてください。

詳しくは「実印をひらがなやカタカナで登録できる?」を参照してみてくださいね。
女性の実印は下の名前のみで作成するのが良いと言われる3つの理由
世間一般に知られているの理由は次の3つほどがありますが、どれもそれほどの説得力はないと思っています。
印鑑店や大手サイトなどでも、下の名前をすすめていることがありますが、とりあえずひとつずつ見ていきましょう。

① 結婚後も使い続けられるから?
確かに、下の名前のみの印鑑であれば、結婚しても離婚しても印鑑自体を作り直す必要がないので手間はかかりません。
他にも、結婚前に実印を登録している方で、結婚後も同じ市町村に住民票がある方なら、印鑑登録の手続きをしなくても良いというメリットはあります。
印鑑登録は市区町村単位で管理されています。
そのため、下の名前のみの実印を持っていても、婚姻を機に別の自治体に引っ越しする場合は改めて印鑑登録する必要があります。
印鑑登録の手続き自体は、窓口の混雑具合にもよりますが約15分程度で完了します。
また、住民登録地に婚姻届を提出したり、転入届を届け出たときには同時に手続きできますから、印鑑登録手続きが面倒ということもありません。
印鑑登録制度の前身となる制度はかなり古く、昔のように同じ市内で結婚するのであれば手続きを減らすことができたかもしれませんが、今はそうとは言えませんよね。

② フルネームの実印は一家の長の証だから?
私自身はこのようなことを聞いたことはありませんでしたが、印鑑店さんのサイトに次のように書かれていました。
既婚の方も「名前のみ」がおすすめです。フルネームの実印は「一家を背負って立つ」という意味もあり、女性は「名前のみ」で作ることが縁起良く吉、と言われているためです。
(引用元:女性が印鑑を作る時。)
女性の方でも、一家の長を担われていたり、起業される方や役職にお就きの方の場合は、社会的立場を考慮してフルネームで作製する方もいらっしゃいます。立場的に名前の実印はちょっと…という方ならフルネームでお作りください。
(引用元:女性が印鑑を作る時。)
つまり、下の名前のみの実印は立場的に低く見られるということでしょうか。
しかし、実際に印鑑登録を行ってきた立場からすると、女性の方でもフルネームの実印を登録されることはとても多く、体感的には下の名前よりも多かったように感じています。
さらに、男女平等という現代の中で、立場が低いから名前のみの実印を作成すると考える人は少ないはずです。
③ フルネームの実印は運気が悪い?
開運印鑑や印相という言葉を聞いたことがあると思います。
姓名彫りの女性実印は強くなりすぎる傾向があり、男性との衝突や家庭不和をもたらす、傲慢・後家相運となります。
女性のフルネーム実印は孤独の後家相女性がフルネームの実印を持つと孤独になりがちになり、強くなりすぎて、ご主人の運を吸い取ってしまいます。フルネームの女性用実印は大凶の代表格です。
(引用元:開運印相聖徳印鑑)
他にも、風水など印鑑に運勢があると考えていらっしゃる方もありますよね。
もちろん、持っている印鑑の運勢について信じる方は、これらの教えから考えて下の名前のみで作られてはいかがでしょうか。
実は女性の実印は姓のみが多い傾向
自分以外の女性が、実印に名前のどの部分を彫刻しているのか気になりませんか?
そこで、当サイトが実印をお持ちの100人の女性に独自アンケートを行った結果が上の画像です。
結果としては、意外にも「姓のみで実印を作成される女性が多い」という結果になりました。
興味のある方は「男性が実印を下の名前のみで作るのはアリ?」を参照してみてください。
もう少し詳しく集計したものが次の表になります。
年代 | フルネーム | 姓のみ | 下の名前のみ |
---|---|---|---|
20代 | 6 | 11 | 5 |
30代 | 7 | 26 | 5 |
40代 | 6 | 13 | 11 |
50代 | 2 | 4 | 3 |
60代 | 1 | 0 | 0 |
計 | 22 | 54 | 24 |
それぞれ彫刻した部分を選んだ理由に次のようなものがありました。
姓のみ | 姓のみで作るものだと思っていたから 結婚後はあまり実印を使うことがないから 銀行印としても兼用しているから 使用頻度が低いので、他の書類にも使えるようにしたかったから 結婚後の姓を大切にしたかったから |
下の名前のみ | 結婚・離婚して姓が変わっても使えるから 知人やお店から教わったから 両親からもらった印鑑だから |
フルネーム | フルネームが普通だと思っていたから ありふれた姓だから 悪用されにくいと思ったから 自分だけの印鑑が欲しかったから |
それぞれの思いがあって選ばれているようですが、下の名前のみで作成することにメリットを感じている人はそれほど多くはなさそうです。
また、結婚後は夫が中心となって契約することが多く、妻の実印としての利用はほとんどないからと実印に対する重みを特に感じていない人も多いようですね。
結婚後は女性もフルネームで作成した方が良い?
結婚後に初めて印鑑登録をされる場合、先にお伝えした印鑑登録手続きの手間という点では同じですから、下の名前のみで作るメリットは少ないです。
メリットがあるとすれば離婚しても実印を作り直す必要がないということがありますが、そんなことを考えて結婚する人はいませんよね。
特徴として、フルネームよりも下の名前のみの方が、デザイン的にはやさしい印象の印影になります。
ネット通販店には、印影プレビュー機能が用意されているお店もありますから、購入前に彫刻文字を入力してみてシュミレーションされるとイメージがわきやすいのでおすすめです。
また、作成する印鑑のサイズにもよりますが、文字数や画数により考えるのが良いでしょう。
実印の場合、三文字~四文字を彫刻することが想定されていて、文字数や画数が多くなると文字が読みにくかったり、目が詰まってしまうというデメリットがあります。
フルネームの方が文字数や字画が多くセキュリティが高い?
今の時代、文字数や字画が多いからといって、セキュリティが高いとはいえません。
なぜなら、現代の技術なら、印鑑や印鑑証明書をスキャナーでとってしまえば、文字数が多くても少なくても簡単に機械で偽造できてしまうからです。
実印は、印影と印鑑証明書がセットで効力が発生するものです。
セキュリティで大切なことは、実印や登録証を厳重に保管することや、不要な印鑑証明書は処分しておくことです。
多くの印鑑店や大手サイトで、文字数が多いとセキュリティが高いなどと書かれていますが、それなのに女性に下の名前のみの印鑑をおすすめするというのも不思議な話だと思います。
下の名前のみのときは縦書きと横書きどちらが良い?
実印や銀行印はお好みで、認印なら「縦書き」がおすすめします。
(基本的に認印は、姓のものにしておきましょう)
横書きの場合、左右どちらから読むのかわかりません。
例えば、「美里さん」と「里美さん」どちらのものか他人にはわかりません。
認印など他人から正しく読んでもらう必要があるシーンでは縦書きのものが良いでしょう。
実印や銀行印の場合は横書きにすることで、どちらから読むのかわからないことが逆にセキュリティを高めると考えることもできます。
実印や銀行印の場合は、先ほどもお伝えしたように、事前に印影をプレビューしてシュミレーションしてみて、お好みの彫り方で良いです。
運気的にや、昔からの慣習でということで言われることがありますが、気にされる方はいますが、経験的に女性の実印で縦書きの方はとても多いです。
女性におすすめの実印の選び方
女性らしさを表現できる書体
印影は、書体によっては堅苦しい印象を与えたり、流れるような印象を与えることができるものです。
例えば、「古印体」や「隷書体」などは美しさややわらかい印象を与えると言われていますから、女性の実印におすすめです。
ただ、漢字とひらがなでも印象は違ってくることもあります。
「はんこプレミアム」では、注文後にデザイナーが印影をひとつずつデザインしてくれます。
作成された印影デザインはWebから確認することができて、さらに太さや位置などの修正もWebに入力して送信するだけで、デザインの修正も行ってくれます。
修正の回数にも制限がないことがほとんどですから、納期に余裕のある場合はご希望とおりの印影を簡単に注文することができます。

夫婦間のバランスを考えたサイズ
女性におすすめの実印サイズは、13.5mmか15mmあたりです。
サイズについても、女性は○○mmじゃないとダメという決まりはありません。
しかし、ご結婚されている女性の場合、夫となる方よりも小さい印鑑を選ぶのが一般的です。
実印のサイズが大きいと、どうしても威圧感が出てしまいます。
また、結婚している女性が実印をいつ使うことが多いのかも考えてみてください。
女性が実印を使うシーンで最も多いのは、「夫婦共有名義の住宅ローン」ではないでしょうか。
夫婦で同じ契約書に実印を押すとなったとき、多くの女性の方は、夫よりも小さめの実印を使用されることが多いようです。
男性は16.5mm以上を選ばれることが多く、女性はそれよりも小さい15mmや13.5mmがほとんどです。
フルネームで作成されるなら最低でも15mmは必要で、13.5mm以下でお考えの場合は下の名前のみの方が良いと思います。
実印のサイズについては「実印サイズはどれが良いの?」を参照してみてください。
女性の実印におすすめの素材
印鑑の素材は、相手にあなたの印象を与える重要な要素ではないかと個人的には考えています。
実印は、長い間大切に使う印鑑ですから、愛着を持てるようなものがおすすめです。
私は、某市役所で実印の登録実務をしてきましたが、経験上、女性の実印に使用されている素材の中で圧倒的に多いのは「オランダ水牛」ですね。
中でも高級な白色のものが人気で、とてもキレイで優しい印象があるため、選ばれるのも納得でした。
当サイトでアンケートを取った結果、女性の実印素材として以下の3つの素材が人気でした。(参考:「印鑑素材人気アンケート」)
- オランダ水牛
- 黒水牛
- チタン


スワロフスキーのアタリを付けることができるお店はいくつもありますが、平安堂では天然石をアタリにすることができるので、あなたの誕生石などをつければ、愛着の持てる実印となると思います。


まとめ
女性の実印は、下の名前のみで作成してもそれほどのメリットがないことをお伝えしてきました。
そして、実印に彫刻する名前の選び方として男性と女性で大きくは違わないということです。
印影をデザイン的なものととらえて、実印のサイズや書体から、フルネームか下の名前のみで作成するのか選べば、あなたの満足できる実印ができると考えて良いです。
ここからは、記事の内容を一問一答の形式で簡単にまとめておきます。
ふりがなでは登録することはできません。
通常、婚姻届や転入届を提出するときと同日に行うことができますから、それほど手間になることはありません。
彫刻する文字数や画数によっては窮屈な印影になってしまうことがありますから、文字数や画数によって選ばれることをおすすめします。