「着物などの和服を着るとき、メガネを付けるのはマナー違反」と聞いたことはありませんか?
周囲の人に聞いてみても、答えは様々で、正確な答えがわからないということが多いですよね。
視力が低くてメガネがないと周りが見えないという方は、着物にメガネを合わせることはできないのでしょうか。
ここでは、着物にメガネを付けるのは失礼なことなのか、例を挙げながら解説していきますので、つかえていたモヤモヤがスッキリするはずですよ。
また、メガネを着物コーデのアクセントに使いたいという場合におすすめのメガネも紹介しています。
着物にメガネを付けても大丈夫?
結論からお伝えすると、着物などの和服にメガネを合わせることは、まったく問題ありません。
ここでは、納得できる例を2つ挙げておきます。
有名人も着物にメガネを付けている
上の画像は、昭和天皇のお写真です。
お着物にメガネを合わせていらっしゃるのがおわかりいただけるかと思います。
このような高位の方が、礼節を欠くとは考えられませんよね。
それは皇族だから問題ないだけで、一般人はダメだと考える方もいらっしゃるかと思いますが、有名人でも着物にメガネを合わせている人は多くいらっしゃいます。
例えば、落語家の立川志らくさんですね。
立川志らくさんと言えば、着物姿にメガネというイメージが強いですよね。
実際に、「第32回 日本メガネベストドレッサー賞」を受賞されています。
他にも、京都市長の門川大作氏や女優の泉ピン子さん、茶道家や着付師の先生など、男女を問わず、着物をよく着ている有名人の方の中にもメガネを着用されている方が多くいらっしゃることから、非常識であったり、マナー違反ではありません。
メガネはアクセサリーではなく、医療器具である
そもそもメガネは「医療器具」のひとつです。
ピアスやネックレスなどのアクセサリーとは目的が違います。
視力の低い人にとって、生活しやすくするために開発された器具で、生活の必需品とされている方もいらっしゃいます。
そういう方のためにも、時代とともに着物に対する見方も変化していくべきです。
着物にメガネを合わせてはダメだと言われるケース
とはいえ、着物や和服にメガネを着用するとき、注意が必要なシーンもあります。
2つの例を挙げていますが、どちらも「郷に入っては郷に従う」必要もありそうですので、ひとつずつ説明していきます。
和食や旅館などで働いている女性
和食でお仕事してきて1番疑問なのが、「眼鏡は外してね」と言われる事。大きなお店でも個人店でも9割注意される。何でですか?と聞いた事があるんだけど、「着物に眼鏡はおかしいでしょ」とか「お料理出す時落としたらどうするの」とか「眼鏡越しにお客様見るのは失礼よ」等と理解に苦しむ理由ばかり。
— きもの (@wine_kimono) October 16, 2019
- 着物に合わないから
- 料理を出すときに落とす可能性があるから
- 眼鏡越しにお客様見るのは失礼だから
上記のように、業界や立場によっては着物など和服姿にメガネをかけるのはダメだとされていることもあります。
納得できない理由があったとしても、働くうえで尊重しなければならない習慣というものもありますので、場に合わせて対応しましょう。
結婚式や成人式などのフォーマルな場では要注意
結婚式や成人式などには、様々な年齢層の方が出席されています。
中には着物姿にメガネを合わせるというコーディネートに否定的な考えをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
特に、デザイン性の高いメガネに対して違和感を持たれてしまうことがあります。
式典の主催者の方のご迷惑とならないよう、式典の間だけでもメガネを外しておくなどの配慮をするなど、場の雰囲気を見て対応しましょう。
着物に合わせやすいメガネの選び方
ここでは、メガネを着物コーデのアクセントにしない場合の選び方についてお伝えします。
着物に合うメガネの形やデザイン
フチなし眼鏡
レンズの縁がありませんので、遠目にはメガネをかけていることに気づかれないこともあるでしょう。
また、レンズから耳にかけての部分(つる)については、太すぎないものを選ぶなど、主張しすぎないものが良いでしょう。
オーバルの形
レンズが横長の楕円型となっているオーバル型は、性別・年齢問わず、多くの人に似合うデザインとされています。
顔に馴染みやすいため、メガネに視線が集まりにくいデザインです。
逆に、以下のようなデザインはメガネが目立ってしまうため、着物には合わせにくい眼鏡となります。
- フレームが太いもの
- 四角く角張っているもの
- 近代的な素材やデザインのもの
着物に合うメガネのカラー
デザインと同じく、メガネに注目が集まらないようなカラーがおすすめです。
- 肌の色に調和する茶系や、淡い色など控え目な色
- 着物と同系色
メガネをアクセントに着物コーデしたい場合
普段着として着物を利用される場合や、小紋や紬などカジュアルにコーデして、街歩きをしたいなど、積極的にメガネをアクセントにしてコーディネートしたいという方もいらっしゃいますよね。
そんなとき、似合うおすすめのメガネを紹介しておきます。
丸眼鏡
丸眼鏡はレンズの大きさで印象が変わってきます。
小さめのレンズものは、古風で真面目な印象を演出できますので、アンティーク着物と組み合わせて大正ロマンな雰囲気を演出するのも良いでしょう。
色付きレンズもおしゃれ。
また、レンズがやや逆三角形の「ボストン」と呼ばれるデザインは、日本人の顔に馴染みやすいと言われており、上品な印象になります。
洋服にも似合うので、持っていると重宝します。
派手目なデザイン・カラーのメガネ
つるの部分に細工が施されていたり、モチーフが付いているものは和服に似合いやすいです。
他にも、太めのフレームに赤など目につきやすいカラーを組み合わせてミスマッチを狙うのも素敵。
存在感のある太めの黒縁も男性に人気があります。
まとめ
- 着物など和服にメガネをかけても問題ありません。
- 式典などでは、その場の習慣や雰囲気に応じて外すなど注意が必要。
- 着物に合わるメガネは、「目立たせない」のか「アクセントとしたい」のか目的を明確にして選ぶ。
現在では、着物を着るシーンはフォーマルな場だけでなく、普段着としてアンティークだったり、デニムを楽しんでいる方が増えてきています。
ルールやマナーに配慮することはある程度必要かもしれませんが、それ以上に着物を楽しむという気持ちを大切にしてほしいと考えています。
上記3点を知ったうえで、気軽にメガネを合わせてコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。