着物に必要な小物にはどんなものがあるの?6つのアイテムを紹介

着物小物紹介

着物の楽しみ方の一つとして、一緒に使う小物の組み合わせを選ぶことがあります。

例えば、帯一つにしても帯留めや帯揚げがありますし、半衿やバック、草履など「この着物にはどれが合うかな?」と考えるだけでワクワクするのも着物の面白さといえますね。

着物は小物も含めトータルコーディネートが重要です。着物に必要な小物にはどんなものがあるのでしょうか。

着物を着るときの小物は大きく分類すると「着付け小物」「装飾小物」がある

着物の小物といってもさまざまな種類があります。

まず小物を大きく2通りに分けると、着付けで必ず必要になる「着付け小物」と、装飾をメインとした「装飾小物」のがあります。

それぞれどんな役割があるのか、また選び方なども説明していきたいと思います。

アイテム①「半衿」:装飾品として欠かせない

着物の装飾品としてよく見かけるのが半衿だと思います。

使い方として襦袢の衿の部分につけて、化粧など衿元が汚れないようにガードする役割があります。

汚れたら取り外して洗濯し、何度でも使用できます。着物を着てみるとわかると思いますが、衿元は意外と汚れやすく、落ちにくい場所です。

半衿はシンプルなデザインはもちろん、装飾性の高いデザインの半衿など種類はさまざまです。

半衿では絹を使ったものや、化繊の白半衿が多いです。
他には麻・木綿などの半衿もあり、素材によってみ見え方が変わります。

着物の素材によっても半衿で合わせやすいかどうかの違いもあります。

例えば麻の着物になると、麻素材の半衿のほうが自然に馴染んできれいに見えます。

素材同士を合わせたほうが全体のバランスも良くなります。
フォーマルな場では白の半衿が基本になり、上品な印象になります。使う場所を選ばないので1枚持っていると便利です。

デザインの入った半衿も、遊び心があってかわいく着こなせます。

半衿の歴史

もともと半衿の名前の由来になっているのは、着物の衿丈の半分程度の長さだったことからついたと言われています。

半衿はもともと装飾品として誕生したものになります。
昔の着物は今のようにさまざまな色があったわけではなく、地味目の柄が着物の中心でした。

そのため半衿をつけることで、装飾として大きな役割を担っていました。

着物が掛衿をつけるようになると、衿元の贅沢品として使用するようになり、半衿の需要が伸びていきました。

半衿は部分的にしか見えないものではありますが、顔に近い部分なこともあり明るく見せる役割も持っています。

アイテム②「帯締め」:実は使う場所が多い?

帯締めは帯を止めるときに使う装飾品です。

帯締めは結んだ帯を押さえることが主な役割です。

目立つ場所にあるため着物のコーディネートの重要な役割を担っているものです。
着物の型崩れはもちろん、着崩れ防止の役割も担っています。

帯締めは種類こそたくさんありますが、“組み紐”と呼ばれる細い糸を組み上げながら一本の紐にしていきます。

カジュアルな着物に合わせる「角打ち」は四角く組んだ方法を用いています。
初心者の方には結ぶのが難しく感じることもあると思います。

現在の帯締めのなかでも最も広く使われているのが「平打ち(平組み)」になります。
平らになるように紐を結んでいるので、締りも良く、扱いやすい特徴があります。

また、円筒型の帯締めはお祝い事で使われることが多く、よく目にするのは成人式の着物です。

もっとも格が高いと言われているのが平打ちになります。

帯締めの歴史

帯締めはとても歴史の古いもので、日本に伝わったのは奈良時代だと言われています。

その後、平安時代に入り貴族の冠や刀の下緒に使用するなど上流階級の装飾品でした。
庶民の間に広がったのは江戸時代に入ってからになります。

帯締めは組台を用いて製作され、さまざまな組み方があります。
よく見かけるのは「高麗組」や「平田組」、「冠組」などでしょうか。

着る着物や、使う場所によって選ぶのもおすすめです。

アイテム③「帯留め」:着物のおしゃれポイント!

帯留めは帯を押さえるために使われるものですが、今日では装飾目的として使用されることが多いです。

帯の中央部分にちょっと付け足す装飾品で、様々な素材・種類があります。
着物をおしゃれに着こなしたいと思っている人なら必ず押さえておきたい小物です。

帯留めは着る場所によって使えるときもあれば使えないときもあります。

葬儀や茶会の席では使用してはいけないというのが一般的なルールになっています。

茶会では帯留めをつけていると、茶器などの道具に傷をつけてしまう可能性があるため、つけるのはマナー違反として考えられています。

帯留めは様々な素材が使用される装飾品で、宝石を使ったものもありますし、蒔絵や木彫りなどの種類があります。

カジュアルな場所では、必ずしもこういう帯留めを使わなくてはいけないなどの決まりはありません。
あなたらしさを追求した個性的なデザインの帯留めも楽しめます。

季節感のあるデザインもあるなど、着物のなかでも自由にアレンジできる小物と覚えておきましょう。

帯留めの歴史

帯留めが誕生したのは、主に江戸時代に入ってからだと言われています。

帯を固定する実用的なものとして誕生し、その後装飾品として考えられるようになりました。
もともとは男性が使っていたものですが、時代の変化とともに女性が使うものというイメージが定着しています。

アイテム④「帯揚げ」:実用的な要素もある

着物の着付けなどで使われている帯揚げは、帯枕や紐が見えないようにするための役割もあります。

少し見える場所にあることから、装飾品としての役割も多くなります。

帯揚げは絞りや綸子、絹や化繊などの素材を用いられていることが多いです。

素材によって格が変わることはありませんし、それぞれに見た目の印象が変わるので、着物によって変えてみるのも面白いと思います。
帯揚げの色によっても着物の雰囲気が変わるため、全体のバランスを考えて選ぶ必要があります。

帯揚げは年齢の若いときは大きく出してアクセントとして、年齢を重ねるに連れて外に出す部分を減らしていく人が多いようです。

また、季節に合わせて帯揚げを変えることも多く、夏になると麻などの着物に合わせやすいように、絽や紗などを使った帯揚げをよく見かけます。

淡い色のものが多く、夏でも涼し気な印象になります。
カジュアルな場では柄付きの帯揚げや色なども楽しめますが、色が濃いものほどカジュアルダウンして着こなせます。

帯揚げの歴史

江戸時代には帯枕がなかったこともあり、帯揚げだけで形を整えるのが主流とされていました。

その後、大正時代に入りお太鼓結びが流行したことによって帯枕が登場し、くずれないように締める役割として帯揚げが使われるようになりました。

アイテム⑤「バッグ」:着物でお出かけするときの必需品!

そもそも着物にはポケットのようなものがないので、外に行くときはバッグがないと困ってしまうことがあります。

特に正装をするときはバッグの種類も選ぶ必要がありますが、カジュアルな場の着物では、そこまでバッグを気にする必要はありません。

正装では草履と同じ生地を使ったセットのバッグを持っていると、全体にまとまりが出ておしゃれに見えます。

また、正装用では小さければちいさいほど良いと言われています。
品格のあるものでないとバランスも悪くなってしまいますし、全体のコーディネートを見ながら考える必要があります。

例えば黒留袖は着物のなかでも最も格式の高いものになります。
結婚式や披露宴などの新郎新婦の親族が着用するものになります。

黒留袖は着物自体が華やかなものなので、バッグを選ぶ時も気品があり華やかなものを選ぶ必要があります。
そのため金・銀・白を使ったバッグを選ぶと、上品な大人のおしゃれになります。

着物に合わせるバッグは「巾着袋」「信玄袋」「口金」の3種類がメインになります。

中でも口金式は金具のついたハンドバック式のものになるので、ちゃんとした席で持っていくときにも向いています。

ただし、着物のバッグは爬虫類や革製品などは着物の雰囲気と合わなくなってしまうため、控えるべきだと考えられています。

また、バッグはそのときの季節によっても変えて楽しめるものです。
正装以外の着物ではこの形でなくてはいけないなどの決まりもないので、自分なりの個性を出して選んでみてもいいと思います。

アイテム⑥「草履」:着物も足元重視!

着物を楽しむうえで足元の草履の選び方にもこだわりたいものですよね。

着物にカジュアルな靴を合わせるわけにはいきませんし、草履の選び方次第では着物のコーディネートが決まってしまうと言っても過言ではないのです。

草履といっても種類はさまざまですが、一般的に礼装用になると、かかとが高ければ高いほどフォーマル向きとして考えられています。
また、草履台の枚数が多ければ多いほど格が高くなりますが、必ずしも定められているものではありません。

草履台によって印象が決まる部分もあり、最もよく見かけるのがエナメルを使用した草履で、適度な光沢感や艶のあるデザインが特徴です。

逆に、あえて艶感を消したデザインもあるので、手持ちの着物との相性でも選んで見てもいいかもしれません。

他にも本革の草履だったり、天革、帆布などの草履もあります。

礼装用の草履は普段の着物で履くことはないので、着る機会によっても草履を選んでみてもいいと思います。
ちなみに、喪服のときは低いかかとで黒のみの草履を履くなどの違いもあります。

まとめ

着物の小物といっても種類がありますし、それぞれに選び方が変わります。
日頃から着物をどのぐらい着るのか、また着用する場所によっても選ぶ基準が違います。

無難でシンプルなデザインのものと装飾性のある遊び心のあるもの両方を用意しておくと、着物によって変えられるので、より楽しめるのではないでしょうか。

着物の小物といえども全体のバランスやデザインを考えて選ぶことが大切です。
色に統一感を出したり、素材を合わせるだけでもすっきりと見えるのでおすすめです。




  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!