着物を着るのは主に外出するときになるので、荷物を持っていくためにもバッグが必要になります。
でも、着物に合わせるバッグって「何を基準に選んだらいいのか?」また、礼装や正装、普段着の着物など着ていく場所によっても、バッグの選び方が変わります。
着物のバッグ選びのポイントや、種類についてわかりやすく説明していきたいと思います。
着物にバックが必要な理由
着物を着たことがある人ならわかると思いますが、洋服のようなポケットが存在しません。
着物の胸元や帯の間などに懐紙を挟むことはできますが、あくまでも薄いものに限定されてしまいます。
隙間に目立つものを入れてしまうと、せっかく素敵な着物を着ていても台無しになってしまいます。
着物を着るときは別にバッグを持ち、お財布や携帯など必要なものを収納するのをおすすめします。
例えば、着物を着てお茶席に参加するときの袱紗や懐紙などは「数寄屋袋」と呼ばれるものに入れます。
着物のバッグにものがギュウギュウに詰まっている状態にならないように、必要最小限に抑えておくことも必要です。
どんなシーンでも使えるバッグ
着物に合わせるバッグのなかでも最もよく見かけるのが、利休バッグだと思います。
デザインによって正装の場所でも使えるので、幅広く活躍します。
利休バッグの特徴は持ち手がついていることですね。
こぶりな大きさではあるものの、マチが広めのバッグになるので収納力にも定評はあります。
前後にポケットがついているタイプが多く、横に長方形のバッグで持ち運びがしやすいこともあり、利休バッグをひとつ持っているととても便利です。
底鋲がついているので、茶室の畳に底面がつかないように配慮されています。
利休バッグの名前の由来については諸説ありますが、茶人として有名な千利休の名前をとって付けられたものと言われています。
実際にお茶会に参加するときに利休バッグを持っている人が多いことからも納得できますね。
もし着物のバッグで何を合わせたらいいのか迷ったときは、利休バッグを選んでおけば安心です。
素材によってカジュアルな雰囲気にもなりますし、高級感のあるものも。
利休バッグを選ぶときは好みのデザインかどうかも考えたうえで決めてくださいね。
フォーマルな場所に持っていくバッグ
着物を着用する機会のなかでも、パーティーや結婚式、お茶席などの決まりごとのある場所に行くときは、バッグなどの小物にもこだわる必要があります。
着物と帯を合わせて全体のバランスを考えているつもりでも、バッグの格が着物の格と合っていないとしっくりとしません。
大きなバッグになるとカジュアルな印象になってしまうので、フォーマルな場所では注意してくださいね。
またフォーマル向けのバッグの素材は、特に決まりはありません。
布製のものはもちろん、エナメル製を使うこともあります。
もともと日本で生まれたデザインだけに限らず、中国から日本に伝わってきたものなど、デザインの種類も豊富です。
礼装で使われるバッグの形は、利休バッグを始め、持ち手のないクラッチバッグや、ビーズで装飾されたビーズバッグ、少し大きめの布製のサブバッグなどがあります。
ビーズバッグは、レトロな日本製のものになると表と裏で違うなどの特徴もあり、女性のエレガントさを演出してくれます。ビーズの大きさによっても見た目の印象が変わります。
他にも振袖用のバッグなどもあり、草履やバッグを合わせたものが一般的なものになります。
お祝いの席では明るい色やデザインの礼装用バッグを選ぶのがおすすめです。
カジュアル向けの着物のバッグ
礼装や正装の場ではなく、ちょっとしたお出かけなどカジュアルな装いの着物では明確な決まりはありません。
着物に合っているデザインや色であれば、素材などの指定はなく自由に選ぶことができます。
ただし、あまりにもバッグ素材が着物素材と非対称なバッグにしてしまうと、全体のバランスが悪くなってしまうので、注意してくださいね。
また、カジュアルな場での着物のバッグのなかでも、ショルダー式の肩にかけるものになると合わせが難しく、おすすめしません。
比較的シンプルなデザインの利休バッグは、おしゃれ用としてもカジュアルな場でも使えます。
他にも、バッグの上でカチッと止めるタイプのがま口式のバッグも、コロンとした丸みのあるデザインと色や柄の種類が多いので、あなたらしいおしゃれが楽しめます。
丸みのあるバッグは女性らしい優しい印象にもなるので使う人を選びません。
また、着物や浴衣に合わせることの多い巾着もカジュアルな場のバッグとしておすすめです。
ただ、小さく横幅がほとんどないので、収納しづらいデメリットもあります。
着物との相性がいいので、一つ持っていると、着物の格を気にせずに使えるはずです。卒業袴用のバッグとしても巾着を選ぶ人が多いようです。
カジュアルな着物に合わせるバッグは自然素材のものを選びたい人には「籠バッグ」もおすすめ。
素材にあけびや藤を用いて編んで作られているものになり、フォーマルな場所には向きません。
でも着物の紬などのおしゃれ着に合わせると、粋な印象になるのでおすすめです。
通年を通して使えますが、夏の着物と合わせると涼し気な印象になるので、あなたらしい着物のおしゃれを楽しめるようになります。
浴衣のバッグとして使うこともあります。
草履とバッグセットを持っていると合わせやすい
正装や礼装の場では、着物との相性だけに限らず草履とバッグを合わせるのもセンスのいいおしゃれです。
草履とバッグの色柄があまりにも違いすぎると全体のバランスも悪くなってしまいます。
セットなら着物との相性も良くなりますし、いざというときにも安心です。
もともとセット売りされているものもありますので、持っている着物と合わせやすいものを選んでおきましょう。
ただし、単品で購入するよりも値段が高額になってしまいますので、予算も含めて検討するのをおすすめします。
着物のバッグを選ぶ時の注意点として、ゴツゴツしたデザインのバッグや装飾の多いバッグは着物自体を傷つけてしまう危険性があるため、できるだけ避けるようにしてください。
どんなに気をつけていてもふとしたときに、着物にひっかけてしまうなど、メンテナンスも大変です。スタッズのついているバッグやチェーンがついているものは着物とは合わせにくいので避けるのが無難です。
また、バッグはカジュアル過ぎるものや安いものを選んでしまうと、合わせている着物まで安っぽく見えてしまいます。
例えば、キャラクターの絵がついているバッグや、布地のトートバッグは着物との相性が悪くなります。
着物のバッグは持ちやすさも重視して選ぶこと
着物バッグは色柄などのデザイン面を重視して決める人が多いのですが、機能性や持ちやすさなどの使いやすさを重視するのも大切です。
着物に着慣れていない人になると普段よりも動きにくいので、バッグも持ちにくいものになると使い心地が悪く感じてしまいます。
着物を着ているときは、バッグを手で持つのが一般的です。
持ち手のついたものであれば取っ手の部分の素材やデザインなどは関係ありません。
ちなみに取っ手の部分が少し大きめのものになると、手首にかけられるのでより使いやすくなりますよ。
ただ持ち手が長すぎると、バッグがブラブラとしてしまいだらしなく見えてしまいます。
また、バッグにマチがついているものは自立させることができるので、出かけた先でバッグを置くときにも横に寝かせる必要がありません。
茶席などのきちんとした席では小物も見られています。
きちんとした印象で見られるかどうかはとても重要です。
またバッグのポケットの有無も確認しておくと、ちょっとした収納のときに役立ちますよ。
着物のバッグはデザイン性も含めて、持ちやすさも含めて考えておきましょう。
着物のサブバッグはどうしたらいい?
着物に合わせるメインのバッグ以外に、サブバッグも用意しなくてはいけないシーンもありますよね。
着物でも荷物が多くバッグに入り切らないケースもあります。
例えばかさばりがちな化粧ポーチや予備の足袋などはサブバッグに入れているほうがスマートです。
「サブバッグならなんでもいいのでは?」と思いがちですが、ブランド物だったりキャラクターのバッグを使うのはおすすめしません。
特に正装や礼装などのお祝いの席ではふさわしいバッグの選び方とはいえません。
風呂敷もサブバッグとして使いやすいので結び方や使い方を覚えておくと、サブバッグが必要なときにも最適です。
まとめ
着物のバッグの選び方について、徹底的に紹介しました。
バッグはあなたが思っている以上に目につくものですし、会場でちょっと預けるときなどきちんとした場をわきまえたバッグを持っていると、着物上級者に見えますよ。
着物のバッグはある程度数を持っておくと、そのときの着物に最適な色柄や機能性のバッグが選べて便利です。
センスよく着こなすためにも着物のバッグ選びはとても重要です。